ミシャへの手紙。
巡り合わせとでも言いましょうか。
2012年。前年になんとか残留した浦和。路線が右往左往した後で非常にハンドリングが難しいであろう中でミシャは監督を引き受けてくれました。
この年はリーグ戦3位となり、それまで数年続いた不安を少し取り除いてくれました。
ミシャの志向するサッカーはGKを起点としてパスを繋ぎ、とにかくポゼッションを高めて虎視眈々とゴールを陥れる、これまでJのチームではなかったスタイル。
いくら広島よりも選手層が厚くても、馴染むまで、機能するまで時間がかかり、時に我々が焦りを感じることもありました。
しかし、補強も含めて長く指揮を執る事で、ミシャのサッカーは浸透して行きました。その集大成は、2015年と2016年。とくに2016年の年間最多勝点は間違いなく強いチームになった証拠と思います。
でも、優勝はステージ2回とルヴァンカップ。いつも少しのところでタイトルは掴めないことが大半でしたね。
それでも、2011年、2012年の時とは随分と違う光景だと思います。今年のリーグ戦中位に沈んでいる今だって、ACLはベスト8で戦い続けています。この5年半で最も前進しているポイントです。
ミシャは常に、我々にも、もちろん選手やクラブにも深い愛情を注ぎ続けてくれました。そして、札幌戦の後も、この後如何に勝って順位を上げていくかを考えていたと思います。
腰を痛めてもベンチ前に立ち、選手達に指示し鼓舞する姿。忘れていませんよ。
今シーズン前には、キャンプの時にご母堂様がお亡くなりになったというのに、日本に留まり浦和のために指揮を執り続けてくれました。
それほどまでに愛を注いでくれていたこと、わかっていますよ。
私はミシャにとても感謝しています。あなたともっと多くのタイトルを獲りたかった。
ミシャとはこれからも友人でいたいと私達も思います。あなたのメッセージを読んで、目頭が熱くなりました。
最後までプロフェッショナルを貫いたミシャへ。本当に、本当に、ありがとう。