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コラム/オリベイラ契約解除、大槻組長の再登板に寄せて。

おはようございます(といいながら本稿は5/28火曜日の夜中に酔っ払いながら書いております)。通勤時間のお暇の相手にどうぞ。

さて、本日5/28夕刻に、公式にオリベイラ監督の契約解除と、大槻さんの再登板、それも暫定監督ではなく正式に就任するという発表がありました。

これデジャブで、2年前に札幌戦での敗戦の後にミシャが契約解除になって、当時ヘッドコーチだった堀さんの緊急登板、からの正式就任にちょっと似ているわけです。違うのは、今回はいきなり正式就任だってことでしょうか。あ、ゼリコん時に堀さんは緊急登板してましたね・・・。。。

オリベイラさんの登板は1年ちょい前、堀さんが更迭され、大槻さんが間をつなぎ、やっと発表された後任監督として登場したわけです。

この緊急登板した際の大槻さんの手腕は見事で、それまでサブ組だった選手を積極起用し、カンフル剤を投与、とりあえず6試合を勝ち越しどころか無敗で、それまで暗中模索というか模索すらできなかったチームを上向かせてオリベイラさんに繋ぎ、フィジカルを強化し、かつ自身の得意な(と思われる)4バックを放棄して勝ちに徹した結果、天皇杯優勝とリーグ戦5位を勝ち取りました。

・・・さらに言うと、オリベイラさんは今期もACLグループリーグ突破と勝ち取っていまして、この点についてはなんだかんだ言って結果はそれなりに出している感じではあります。・・・もっというと、堀さんもACL優勝させてんだよなー。。。

さて。

ちょっとここで今期ここまでを。SNS上で指摘されている内容を含めて、素人目線ながら振り返って見ましょう。

補強は適切だったか

オリベイラが得意とする4バックを実現するような補強ができていたのでしょうか。

今期の補強はCB鈴木大輔、SB山中、CF杉本、FW/MF汰木、MFエヴェルトン、大学ナンバーワンSB岩武、他はユースから3名という陣容でした。川崎の車屋にオファーして断られたという報道もありました。

当然、4バックのためにカギになるのはSBです。実に4バックに適応できるSBはJリーグ全体で人材不足で、結局飼い殺しになってしまった菊池大介、ミシャについていった駒井、曺さんの元で光り輝いてしまった岡本など、実に放出しまくっている一方で、補強した山中、岩武に加え、宇賀神、荻原、森脇と、一応駒は揃っていたりします。フィットするかどうかは別として。

CBも槙野、鈴木大輔、岩波、マウリシオ、茂木とそれなりに。

ちょっと物足りないのはボランやトップ下チというか水を運ぶ選手。筆頭は青木、成長株の柴戸、調子を落としているものの柏木(ただ柏木はもう少し前目のほうが活きると思いますけど)、阿部ちゃん、直輝、エヴェルトン、長澤。ちょっと世代が上よねぇ、というのと、ここまでエヴェルトンと周囲の融合があまりうまくいってないし、ベストな組み合わせが見えずじまいでした。これも3ボランチ(だけど実際は1アンカー2センターみたいな陣形)がフィットしなかったんですけど。

FWやウイングについてはそれこそ適正はともかく数はいる状況ですよね。

てなわけで、選手層そのものは、オリベイラさんの眼鏡にかなわなかったのでしょうけど、それなりに人材はいるのではないかと思います。

とはいえ、中途半端に3バック要員と4バック要員が入り乱れてる感は否めません。。

シーズン前の準備は適切だったか

キャンプでは練習試合は1試合だけ、なんならゼロックススーパーカップが練習試合という体でスタートした今期ですが、昨季のフィジカルの弱さ(これも堀さんが全然フィジカルを鍛えなかったからなんだけど)をうけて、もともとフィジコなオリベイラさんが体力強化に傾倒したのは、それなりに理由があったんだと思います。

ただ、結果的には4バックへの移行もうまくいかず、塩試合を展開してなんとか逃げ切る試合運びに徹するカウンターサッカーになってしまい、ミシャ時代の遺産はかなり食いつぶされてしまいました。これもオリベイラさんが就任した時点で予見できたわけで、彼なりの土台作りが体力だったんだろうなぁと思うわけです。

一方で、鹿島時代以降、1年以上監督を継続できたチームは1つくらい。そもそも2年ともっていなかったのも事実で、就任時点でも不安視されていました。そもそも鹿島はジーコ時代というかクラブ創設以来の4-4-2を継続して、チームコンセプトも確固たるチームなので、オリベイラさんはフィジコとしての能力を発揮するだけでも十分戦えたのかもしれません。

で、浦和って何よ

結局、浦和の浦和イズム的なものは、オフトにはじまり、ギド、オジェックあたりまではそれなりに欧州風(ドイツ的)カウンターサッカーという色付けがなされ、フィンケの時になぜか育成型クラブを指向してとん挫、ゼリコの暗黒からチームカラー一新のミシャ広島風お好み焼き・・・ならぬ、東欧の組織的パスサッカーへと変貌を遂げました。これ、結構大きな転換でしたよ。

ミシャ時代は長く続き、タイトルこそ本当に少なかったし、危機もありましたし、ミシャの頑固さのせいで詰まらない試合も多かったですが、それはそれとてカラーであり(広島だってミシャ退任後に森保さんで一気に強くなってるし、だから代表監督になってるし・・・)。

という後に堀さんに託し、ダメで・・・という流れでした。ああ、堀さん・・・( ;∀;)

ただ、広島もミシャから森保さんに代わり、弱点を補強して強くなっていたし(しかも継続して若返り策をしているんだよね、育成型クラブだから当然だけど)、他チームに目を向けると、鹿島もちょっと沈んでいましたが、石井体制の暗闇から、大岩さんに移行して現在それなりに成果を出しています。

何が言いたいかっていうと、いつまでも欧米から監督を連れてくるだけが能じゃないってのもあるし、浦和イズム的な何かを構築するための分水嶺に今いるんじゃないかと思うのでこんなことを振り返っています。

では今の浦和のストロングポイントは

正直見えないですよねぇ。たまにミシャ時代の片鱗を忍ばせますけど。ただ言えるのは、今いる選手たちの実力はある程度は間違いありません。ただ、神戸に見るように、スーパースターひとり、どころか数人だけ配しても勝てないのがサッカーなんですよね。

今の浦和のストロングポイントは結構壊れているので、軌道修正が必要と思います。シーズン当初は堅守と言われていましたが、それも序盤の研究されるまでの話。もうしっかりスカウティングされて崩されまくっている今、堅守は既に崩されています。

オリベイラさんは戦術的には器用ではありませんでした。基本的にリアクション采配でしたし、だからこそリアクションを機能できる体力を優先したのでしょうが、今のJリーグでも既にその手法は通用しなかった、ということなのでしょう。

というわけで、とどのつまりは選手層くらいしかストロングポイントはないし、あえて言うならそれも平均年齢も上がってきているし、スタメン固定化できっとモチベーションも下がりまくっていることも容易に想像できます。結構、いろいろ厳しいですわね。

大槻さんの登板は是か非か

正直、前回のエントリー(13節レビュー)で解任に触れていますが、それから約30時間後にオリベイラさんは去ることとなりました。・・・だからそうなってほしかったわけでもないんですよ。体力強化の真骨頂は夏場に発揮しますしね。

次節川崎戦のあとは約2週間間があくので、おいらは再建するにはここしかないと思っていました。また、欧米では今がオフなので、監督探しにはちょうとよいタイミングだなーと思っていたのも事実です。

しかし、クラブは大槻さんの正式な監督就任を選択しました。というか、たぶん今の段階で火中の栗を拾ってくれる人は大槻さんしかいなかったんじゃないかとも思います。

おそらく、前回の緊急登板と同様、まずは川崎戦に向けてモチベートしつつ、適度な選手の入れ替えも実践してくれると思います。しかし、シーズンを戦うとなると未知数です。

とはいえ、前出の鹿島にしても広島にしても、それまでの経過はともかくとして、なんだかんだと内部昇格で結果をある程度出しています。

つまり

はい、またきた我慢の時。大槻さんが火中の栗を2度も拾う(って堀さんもそうだったけど)以上、大槻さんの再登板と是とするしかないって話なんですよね。

といいながら・・・オリベイラさんとともに、ヘッドコーチとフィジコとも契約解除をしたんですけど、フィジコもいるし(石栗さん)、ヘッドコーチは実質伸康さんが務めるんだなーと思うと、チームも予見していたんじゃないかとも思われます。ま、そんなんどっちでもいいんだけど。

前回の緊急登板時には、まだミシャ時代を知る選手が大半でした。なので戦術はミシャ回帰をしつつ、チーム内の競争を盛り立てれば一定の結果を出せたのではないか、と考えられましたが、今回は戦術もくそもなくなっている状況で、ミシャ回帰では解決できない状況です。そこで短期間で戦略も戦術も埋め込まないといかんという相当難易度の高いミッションを大槻さんには与えられてしまったわけです。それも、リーグ戦では降格圏が怖いの状態の一方で、ACLはノックアウトステージへ進出。なんじゃこりゃな状況です。

大槻さんは前回の緊急登板時には基本的に3バックを採用しました。この点は継続することになると思います。…仙台時代は4バックだったと思うけど。強みはスカウティング。相手を見定めた上での戦略・戦術の行使。とはいえ、短期間では成果を出せたとしても、シーズンを戦うにはしつこいようですが、準備時間が少なすぎるんですよね。

なので、今期は我慢ガマンをしつつ、来期以降に繋ぐものを大槻さんが醸せるようにサポートしないといけないな、と思う次第です。だって、3年連続で監督更迭、これ以上同じ轍を踏んではいけません。そんなことになったら、選手たちが腐ってしまいます。プロフェッショナルなんだからそんなことをいうのはどうか、という向きもあるかもしれませんが、選手生命の短いプロアスリートとしては、しっかり戦うことのできないチームにいる理由なんてなくなりますからね。シビアなんです。

大槻さんは正直好きな指揮官なので、ここで躓いてほしくないという想いも含めまして、降格さえしなければじっくりチーム作りに励んでほしいということをここに書きなぐりました。ご清聴ありがとうございましたm(__)m

 

2019.5.29追記

文中で伸康さんがヘッドではと書きましたが、結局退任してユースから上野さんが昇格となりました。他にも通訳のロドリゴさんの退任など、何気に大きな動きになっていてびっくりです。他にもいいたいこともありますが、それはどこかで。


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